『眼瞼痙攣』・『片側顔面痙攣』について
室内でもまぶしい、目が乾く感じがする、顔や目のまわりがピクピク動く。
このような症状はありませんか?年齢のせい、疲れているだけと思いこんでいませんか?
もしかすると治療の必要な病気が隠れているかもしれません。
下記のような症状がある場合、『眼瞼痙攣』、『片側顔面痙攣』かもしれません。
『眼瞼痙攣』と『片側顔面痙攣』は、視力をを失ったり、生命に関わる病気ではありませんが、放置することで症状が進行してしまう可能性があります。緊張したり、心配事があったり、憂鬱になると症状が悪くなることがありますので、心を平安に保つことも大切です。
下記に記載した気になる症状があれば、当院へご相談ください。
下記のような症状はありませんか?
『眼瞼痙攣』によくみられる症状
- 光がまぶしい
- 目が乾く感じがする
- 目を開けているのがつらい
- 意思とは関係なく目をつぶってしまう
- 片目だけつぶってしまう
- まばたきの回数が多くなった
- 以前のように自然なまばたきができない
- まぶたがピクピクする
- 点眼治療では改善しない症状がある
- 目や目の周囲に違和感や異物感がある
- 口元がピクピクする
『片側顔面痙攣』によくみられる症状
- 目を開けているのがつらい(片側のみ)
- 意思とは関係なく目をつぶってしまう
- 片目だけつぶってしまう
- まばたきの回数が多くなった
- まぶたがピクピクする(片側のみ)
- 目や目の周囲に違和感や異物感がある
- 顔がひきつったり、こわばったりしてゆがんでしまう
- 口元がピクピクする(片側のみ)
どちらの病気も自然に治癒することありません。上記のような症状が気になりましたら、当院へご相談ください。
『眼瞼痙攣』・『片側顔面痙攣』はどんな病気?
『眼瞼痙攣』
どんな病気?
- 症状が進行すると自分の意思で目を開けようとしても、目を開けられなくなり、手を使って開けなければならない場合もあります。
- 50歳〜70歳代の、特に女性に多くみられる病気です。
- 20歳代でも起こることがあります。
- 女性の罹患する割合は男性の約2倍といわれています。
- 過剰なストレスや、一部の睡眠導入薬が誘因になることもありますが、普通に生活している方にも多い病気です。
初期症状
- まぶしい、目を開けているのがつらい、目が乾くなど多様で、ドライアイと似通った症状がみられます。
下記項目にあてはまるものがあったら、一度当院へご相談ください。
- ドライアイの治療を受けても治らない
- 更年期の症状だとあきらめている
- 目が開けづらいので外出をひかえている
- まぶしくて帽子やめがねが手放せない
- 市販の目薬ではあまりよくならない
- 人ごみで人やものにぶつかる、またはぶつかりそうになる
- 危険を感じるので車や自転車の運転をしなくなった
『片側顔面痙攣』
どんな病気?
- 自分の意思に関係なく、顔の片側の筋肉がピクピクする病気です。
- 50歳〜70歳代の、特に女性に多くみられる病気です。
- 女性の罹患する割合は、男性よりも多いといわれており、約7割が女性です。
- 進行すると、症状が頻繁に起こり、目の周囲、口、頬、顎の筋肉がひきつります。
初期症状
- 主に顔の片方の目の周囲、口がピクピクします。
特徴
- 痙攣は眼瞼から始まり進行すると他の顔面筋にひろがります。
- 多くは片側性ですが、両側性のこともあります。
- 『眼瞼痙攣』を合併することもあります。
症状が出やすいシチュエーション
- 緊張している時
- 食事の時
- 笑った時
- 会話している時
『眼瞼痙攣』・『片側顔面痙攣』の検査方法
問診
症状等を詳しく聞かせていただきます。
どのような症状がどこに、いつ、何回くらい出るか、困っていることは何かなどをお尋ねします。
診察中には困っている症状が出ないこともありますが、お話の中からわかる場合もあります。
まばたきテストなどで確認します。
『眼瞼痙攣』が疑われる場合
『眼瞼痙攣』は脳内から正しい指令が伝わらず、目の開閉がうまく機能しなくなるものです。通常のCT検査やMRI検査では異常がみつけずらい病気です。
- 軽くて歯切れのよいまばたきができているか
- 目を開けるのに困難はないか
- 患者さんの訴え以外の病気を見落とさぬよう下記検査も行います。
- 目の検査(視力検査、目の表面をみる検査など)
- ドライアイの検査
『片側顔面痙攣』が疑われる場合
- ピクピクする症状が出やすい状態を誘発させて観察、診断します。
- 脳内の血管が顔面神経を圧迫している状態はないか、痙攣を起こす別の脳の病気はないかなどを調べるために、頭部のCT検査やMRI検査を行います。
『眼瞼痙攣』・『片側顔面痙攣』の治療方法
薬による治療
ボツリヌス療法
『眼瞼痙攣』、『片側顔面痙攣』の治療にはボツリヌス療法があります。
この治療法は、緊張している筋肉に緊張をやわらげるおくすり(ボツリヌストキシン)を注射することで痙攣や収縮の原因になっている神経の働きを抑え、緊張しすぎている筋肉を緩めるものです。
内服薬による治療
『眼瞼痙攣』・『片側顔面痙攣』のいずれにも、症状に応じて内服薬を使用することがあります。
手術による治療
『眼瞼痙攣』には、まぶたが開きやすくなるように、まぶたの筋肉や皮膚を短くする手術があります。
『片側顔面痙攣』には、耳の後ろの髪の生え際付近を小さく切開し、顔面神経とその神経を圧迫している血管とを離して神経に対する刺激を遮断する手術があります。
その他
『眼瞼痙攣』では上まぶたをおさえるクラッチめがねや遮光レンズが症状を軽減させることがあります。
似た症状に、こんな病気もあります。
『眼瞼痙攣』と『片側顔面痙攣』の症状はよく似ていますが、その他にもこれらと似ている症状を示す病気がいくつかあります。
下記の病気はそれぞれ治療法が異なります。
顔の運動異常の症状が現れたら、自分で判断せずに、まずは眼科や脳神経内科、脳神経外科などの専門医療機関での受診をおすすめします。
薬による治療
眼瞼ミオキミア
疲れや睡眠不足などがきっかけで、左右片側の上または下のまぶたの筋肉の表面がピクピクしますが、やがて症状は消えます。
ドライアイ
まぶしい、目が乾くなどの自覚症状が『眼瞼痙攣』と一見似ていますが、『眼瞼痙攣』はドライアイの治療では治療できません。
開瞼失行症(かいけんしっこうしょう)
いったん閉じたまぶたを開くのが困難になる症状がみられます。
『眼瞼痙攣』と合併することが多い病気です。
チック
『片側顔面痙攣』と同じようなまばたきや顔しかめなどの症状が出ますが、自分の意思でコントロールでき、痙攣の場所が移動するのが特徴です。
ボトックス治療(ボツリヌス療法)について
適用疾患
- 眼瞼痙攣
- 片側顔面痙攣
投与間隔
- 2~3ヶ月ごと
自己負担額の目安
1割負担 | 5,000円 |
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2割負担 | 10,000円 |
3割負担 | 15,000円 |